“良質な投資機会”と顧客を結ぶ独立系運用会社
公的および企業年金基金向けを中心とした運用サービスを提供しているセイリュウ・アセット・マネジメント。日本でビジネスを展開する大半の運用会社は、金融系列に属している、もしくは外資系運用会社の支店だが、同社の特徴は日本人が経営する独立系の運用会社であることだ。
セイリュウ・アセット・マネジメント 代表取締役社長の吉田琢磨氏は「日本の金融機関は、それぞれに複雑な取引関係を有していますが、こうしたしがらみの影響を受けない状態で、真にお客さまの運用ニーズに対応できるのが独立系のメリットです。フィデューシャリー・デューティー(Fiduciary duty:受託者責任)を果たせるよう、お客さまと二人三脚で業務を遂行していくにあたり、こうした機動性は非常に有利といえます」と語る。
(左から) セイリュウ・アセット・マネジメント 業務企画部 バイス・プレジデント 近藤勇人氏、
同社 代表取締役社長 吉田琢磨氏、同社 業務執行役員 営業本部長 平畠秀典氏
また、同社では海外の投資先と顧客を結ぶ“橋渡し”的な役割も重要視している。
セイリュウ・アセット・マネジメント
代表取締役社長 吉田琢磨氏
「世界にはさまざまな投資機会が存在しますが、俯瞰的な視点でお客さまにとっていかに“良質な投資機会”であるかを見極め、そこに対するアクセスを切り拓いていくのが私たちのビジネスモデルです。そのためには、投資機会に対してもっとも専門的かつ優秀なパートナーを探し出すことも必要となります」と語る吉田氏。
実際、日本の登録運用会社は350社程度しかないのに対し、欧米では16,000社を超えるなど、業界自体の成熟度がまったく異なっている。このような、互いに切磋琢磨しながらビジネスを成長させてきた環境ならば、優秀な運用会社が生まれやすいのも当然だ。さらに投資先としても、GDPの横ばいが続く日本と比べて、海外には良質な投資機会が数多く存在する。同社ではこうした現状を踏まえて、海外の投資機会とパートナーの見極めを重視しているのである。
同社のビジネスはここ数年で大きく拡大し、現在の運用資産残高は約900億円に到達。独立系の運用会社としては日本で唯一、公的運用機関の資金を受託しているという点からも、顧客からの大きな信頼を得ていることが伺える。
そんな同社で課題となっていたのが、業務遂行に必要なモバイル環境の整備だった。
よりセキュアかつ業務効率を向上させるモバイル環境が必要
セイリュウ・アセット・マネジメント
業務企画部 バイス・プレジデント 近藤勇人氏
同社 業務企画部 バイス・プレジデントの近藤勇人氏は「弊社では当初、自分の予定をMicrosoft Outlookで管理し、Googleのクラウドのスケジューラーで共有する方式を採用していました。しかし、個別に入力が必要なため手間がかかる上、モバイル端末ではiPhoneやAndroid標準のメールアプリを使っていることもあり、端末内に情報が残るのはセキュリティの観点から以前より改善課題でした。Microsoft Intuneを使う方法もありますが、多大なコストと運用管理面での人的リソースを考えると、弊社の規模で導入するのは現実的ではありません。端末支給コストを抑えるべく、業務に個人所有のスマートフォンを利用しているくらいですから。また、複数台の端末を持つのは面倒という意見もあり、BYOD環境での運用を続けてきました」と語る。
こうした背景から、同社では2016年初旬にOffice 365とMicrosoft Azureを導入し、よりセキュアに業務が遂行できる環境構築を開始した。その際に注目したのが、「BlackBerry Enterprise Solution」だったそうだ。
近藤氏は「BlackBerry Enterprise Solutionは、端末内のセキュアなコンテナにデータを格納してくれます。仮に端末の紛失や盗難が発生した場合でも、MDMなしでコンテナのエリアだけをリモートワイプできるため、セキュアな運用が可能となります。弊社スタッフはほぼ全員が金融機関の出身で、過去にBlackBerryのモバイルデバイスを使っていた経験があることから、その高いセキュリティと信頼感に加えて、利便性の良さなどを知っていたのも大きいですね」と語る。
こうして同社では2016年6月に、BlackBerryの販売代理店として実績と技術力に定評のある新明和ソフトテクノロジへ依頼。BlackBerry Enterprise Solutionを用いたセキュアなモバイル運用環境の構築に着手した。
新明和ソフトテクノロジ
ソリューションビジネス部 東日本グループ長 青澤司氏
「つまずきそうな部分を先回りしてアドバイスしてくれるなど、新明和ソフトテクノロジのサポートは非常に迅速かつ的確でした。そのおかげで特にトラブルもなく、わずか2ヶ月でのスピード導入が実現したのです」と語る近藤氏。
これを受けて、新明和ソフトテクノロジ ソリューションビジネス部 東日本グループ長の青澤司氏は「今回はオンプレミスではなくクラウドサービスとしての導入だったため、打ち合わせの翌日からトライアルを開始できました。予算やニーズに応じてスピーディーに導入できるのも、BlackBerry Enterprise Solutionのメリットですね」と語る。
クラウドを選択した点については、イニシャルコストや運用管理のコストを抑えられる、Office 365およびMicrosoft Azureとの親和性が高く互いのメリットを最大化できる、短期間での構築が可能、“クラウド×クラウド”の環境がBCP対策として有効、といった理由があったそうだ。
80%以上ものコスト削減効果と2ヶ月のスピード導入を実現
BlackBerry Enterprise Solutionの導入が、セイリュウ・アセット・マネジメントにもたらしたメリットは非常に大きい。
まずコスト面では、Microsoft IntuneとMDMを組み合わせた場合と比べて80%以上もの削減効果を実現。構築期間についても半年以上を想定していたが、わずか2ヶ月でサービスインが可能になったのである。
セイリュウ・アセット・マネジメント
業務執行役員 営業本部長 平畠秀典氏
また、「コンテナを用いたセキュアな運用はもちろんですが、メンテナンスに関する部分も大きく変わりました。アプリケーションの設定はもちろん、企業内の情報セキュリティポリシーに変更があった際も、ポリシーを使ってアカウントの設定を一括で変えられるので、規模的に専任のIT部署が設けられない弊社のような企業では、運用負荷を抑える上で大変助かります」と、近藤氏は管理面でのメリットを語る。
さらに、ユーザーの利便性も大きく向上したそうだ。同社では、外出先から顧客やパートナーに関する資料を確認する機会も多いが、セキュアなコンテナ内で添付ファイルを閲覧できるのは極めて重要。
こうした環境面での使いやすさに加えて、同社 業務執行役員 営業本部長の平畠秀典氏は「ファイルを開く際、Outlookでは他のビューアアプリが起動してしまいますが、ビューア機能も備えているBlackBerryなら、アプリ内で手間なくシームレスにファイル閲覧が可能です。加えて、パスワード付きZIPがその場で開けるのも非常に助かりますね」と具体的な使用感を語ってくれた。
各個人がより高い意識で業務と向き合う環境へと変化
吉田氏は、BlackBerry Enterprise Solutionを用いたモバイル環境の整備について「いつでも仕事ができる環境を『仕事に縛られている』、『プライベートの時間を使ってまで仕事をしたくない』と捉える方もいると思いますが、逆に私たちはこの環境が業務効率化につながると考えています。移動中にメールをチェックしておけばそれだけ業務への取り掛かりが早くなりますし、外出先から承認などが行えれば企業として重要な意思決定の迅速化も図れるでしょう。また、たとえば承認を依頼する際は相手が外出先にいることを前提に、承認の差し戻しが無い様に完成度の高い資料作成などを心がけるなど、各個人がより高い意識で業務と向き合うようになります。実際にBlackBerry Enterprise Solutionを導入してから、弊社内でもこうした傾向があらわれはじめましたし、仕事の質が向上したことで労働時間自体も減っているように感じます」と、“働き方改革”に対する考え方とその効果を語ってくれた。
今後の展望について、「今後さらにセキュアで使いやすいモバイル環境を目指すべく、ドキュメント共有に適した『BlackBerry Workspaces(Cloud)』の契約を完了しました。」と近藤氏は話す。
BlackBerry Enterprise Solutionの導入により、セキュリティの強化と業務効率化、そしてBCP対策までを実現したセイリュウ・アセット・マネジメント。これからもBlackBerry Enterprise Solutionによるセキュアなモバイルワークを基盤に、投資先と顧客を結ぶ架け橋として大きな成長を遂げていくだろう。
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